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【2025年の崖】DXとは何か。現状と推進事例を解説

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近年『DX(デジタルトランスフォーメーション)』という言葉が登場して以来、さまざまな場所で耳にするようになりましたが、意味がよくわからずモヤモヤしてしまった方も多いのではないでしょうか。理解が進まない中で外部に言われるがままにDXを進めようとすると「何を目標にするのか」「どんなコンセプトで取り組んだら良いのか」がわからなくなり、現場の混乱を招きます。

プレスリリース大手のPRTimesによると、『DX』は配信されたプレスリリースに含まれたキーワードの登録数として、2021年に1位、2022年には2位にランクインしており、今のビジネスに欠かせない最重要テーマの1つになっています。このコラムでは、そのように今のビジネスを考える上で大切な『DX』について、わかりやすく解説しています。

このコラムを読んでわかること
・DXの意味
・DXを進めるべき理由
・取り入れるステップと導入事例

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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DXの定義

経済産業省が発表した『デジタルガバナンス・コード2.0』(2020年11月9日策定、2022 年 9⽉ 13 ⽇ 改訂 )によるとDXは以下のように定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

これはつまり、デジタル技術を用いることで人々の生活をより良いものへと変革することを指しています。単なる既存業務の効率化だけではなく、新しい価値や枠組みをもたらすような変革をし、市場競争で優位に立つことがDXの大きなポイントです。

IT化とDXの違い

DXと混同されやすい言葉の一つが『IT化』です。DXはビジネスモデルそのものの変革が求められる点に対して、IT化は既存ビジネスの各部分を効率化のために変革するという点が大きな違いとなっています。IT化は、例えば今までのアナログ業務をオンライン上で完結させるなど、ITツールなどを用いることで既存の業務プロセスを効率化することを指しており、IT化はDXのプロセスの一部であると言えます。

DXを推進するメリット

DXを推進することの最大のメリットとして、企業の市場優位性が高くなることが挙げられます。この優位性はデジタル技術を用いていることで市場の変化などにも柔軟に対応することが可能になり、長く維持し続けていくことができます。
また、コスト削減の面においてもDXは有効です。DXを推進する過程で既存業務の見直しを行い、それらをデジタル技術を用いて効率化できることから、DX自体もコスト削減につながります。

2025年までにDXを進めるべき理由

【2025年の崖】問題とは

『2025年の崖』とは、経済産業省が発表したDXレポートによって注目を集めたキーワードです。このレポートによると、2025年までに現在の日本の企業にあるざまざまな問題が顕在化して国際競争力を失い、最大12兆円もの大きな経済損失につながると言われています。
DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(本文)(PDF形式:4,895KB)

複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025年までに予想される IT 人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失は、2025 年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性がある

レポートの中では、この2025年の崖を回避するための「DX推進システムガイドライン」を策定しています。

現状の課題

DXが進んでいない企業に共通する最も大きな問題として、『既存システムの老朽化(レガシーシステム問題)』が挙げられます。時代に合っていない自社システムを持ち続けていることにより、部門間での情報共有が滞ったりシステム障害への対応に莫大なコストがかかっているのではないでしょうか。

前出のDXレポート(p12)の中の調査データによると、日本企業のIT関連費用の約8割はその老朽化した既存システムの維持費に費やされていることが明らかになりました。この問題は、社内や社外の誰もシステムの全体像を理解できていない状況になっているために引き起こされます。このような状況になる原因としては、導入時のシステム管理担当者の退職や、開発時にベンダー企業に提案されるがままに購入してしまったことなどがあります。ベンダー企業も開発の大部分を孫請け会社に委託していた場合も多く、これでは社内にも社外にも頼れる存在がいない状況となってしまいます。

これらの問題を解決するために、2025年までにシステムの刷新を行ってランニングコストを削減し、新しい価値を生み出すデジタル戦略に投資することが大切なのです。

DXを推進するステップ

ビジョンの明確化

DX推進の最初のステップとして、「デジタル技術を用いて、ビジネスでどのような価値を生み出していくか」というビジョンを立てることが大切です。DXの推進では、企業文化や組織体制に変革が求められることがあるため、経営者がこのビジョン策定に主体的に取り組み、時には現場を説得することも求められます。
また、ビジョンは顧客視点で立てることも必要です。単に既存の自社業務をデジタル技術で効率化するビジョンでは、市場競争力に繋がりません。徹底的な顧客視点で新しい価値を提供できるビジネス変革をビジョンに掲げることで、市場での優位性と業務改善を同時に実現することができるのです。

体制の整備

ビジョンが全社に共有されたら、予算の確保や人材の配備などの体制づくりを進めます。デジタル戦略策定に必要なスキルを持った人材が社内にいない場合は、外部から新しく採用することもできます。しかし、DXは全社で緊密に連携をとって情報共有をしながら進める必要があるため、推進の中心メンバーが孤立しないような体制にしなければなりません。そのためには外部講師を招いた勉強会などで社内全体で知識の底上げをし、社内全体を課題を発見して自ら動けるような組織にしていくことが理想的です。

ITシステムの構築

DX推進メンバーを中心に、現状のシステムや社内体制を分析して何が課題なのかを特定し、ビジョンを達成するためのビジネス計画を立案します。『既存システムの老朽化(レガシーシステム問題)』問題は、システム開発全体をベンダー企業に丸投げしていたことで社内で全体像が把握できずに深刻化していました。ですので、新しいシステムを制作する際は、要件定義などの大筋を社内で主体的に作成することが大切です。詳細な要件などはベンダー企業と組んで作るとしても、新システムを使ってやりたいことや経営視点でのシステムの評価基準を社内で固めるようにしましょう。

DXの推進事例

【観光】鶴巻温泉「陣屋」

1918年に開業した老舗旅館である鶴巻温泉「陣屋」は、小規模にDXをスタートさせて成功を収めた先端事例です。2010年に自社予約システムからスタートして段階的に顧客管理システムと組み合わせていくことで、当初は10億円借金があった状態から3年で黒字転換に成功しました。DX推進の中で『お部屋カルテ』という独自の管理方法を作ったことで、予約トラブルや情報の共有漏れが改善できたことが大きな成果となっています。また、陣屋ではこのDXにより開発したシステムが業界の評判を呼んで外販されるようになり、2021年2月には全国400以上の施設で使われるまでになりました。

【小売】株式会社三越伊勢丹ホールディングス

三越伊勢丹ホールディングスは2020年から「デジタル新規事業」と「シームレス戦略」を2本柱として、全社を上げてDXを推進し始めました。主な取り組みは、2つのECを統合して管理を効率化し、かつレベルの高い接客をECでも顧客に提供できるようにサイトやアプリを刷新したことです。このDXでは、デジタルを活用してパーソナルな顧客体験が提供できるようになり、百貨店の強みを活かした新規性の高いビジネス変革になったといえます。業務効率化するだけでなく百貨店らしい独自のデジタル戦略となったことで、従来の常連顧客のみならず、百貨店にあまり行かない人の関心も呼んでいます。

【農業】株式会社イケマコ

従業員数10人に満たない佐賀の農家、株式会社イケマコは2017年から減農薬栽培のためのAiを用いたDXの推進を始めました。このシステムによって生産された『スマート枝豆』は、同じ生産量のまま9割以上の農薬使用量の削減に成功し、市場価格の2倍以上の値段で売れるようになりました。Aiを用いて作物の虫食いの場所にピンポイントで農薬を散布できるようになり、生産物の付加価値向上はもちろん、農家の労力も農薬の費用も大きく削減しています。このDXは、より安全な食べ物を求める消費者の期待に応えながら農家自身の労働環境改善にも貢献し、農業の未来を明るく照らすような事例となりました。

農地の写真

まとめ

DX推進はビジネス全体で見ると大規模な改革ではありますが、1つ1つのステップを着実に進めることで小さな事業者でも小規模な予算からでも始めることが可能です。DXを推進するタイミングは、早ければ早いほど市場での優位性が高まるため、もしご興味がおありでしたら2025年に向けてご検討されてはいかがでしょうか。

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